今回は僕が被害に合った実例を元に、「詐欺を働く人間、人を騙す意図をもって近づいてくる人間がどういう方法をとり、去っていくのか」についてまとめていきます。
世の中には心の底から悪い人間なんていないと思いたいところですが、現実はそう甘くはありません。
善意のかけらもない、完全な悪人もいるんですよ。
詐欺師の仕事は人の心理を読み取り、欺くことです。
願わくば、この記事を目にしてくださった方には、そんな奴らの手口に引っかからないでいてほしいです。
今から書くことが、誰かの役に立ちますように。
悪人に「さん付け」は必要ない
ところで、この記事では冒頭に書いた「詐欺を働く人間、人を騙す意図をもって近づいてくる人間」のことをまとめて「奴ら」という表現にしています。
よく子ども向けのお話や、または大人同士の会話でも「泥棒さん」という表現を耳にすることがあります。
ですが、僕はそれは絶対に使ってはいけない表現だと考えています。
なぜ悪事を働いている泥棒に「さん付け」が必要なのか?
「ストーカーさん」とか「DV夫(妻)さん」、「詐欺師さん」とか「殺人者さん」とか言わないですよね?
子ども向けのお話や子ども同士の会話ではある程度仕方ないとして、大人同士の会話の中では使ってほしくないですね。
ま〜これは僕個人の意見なのですが。
強すぎる表現を避けるために敢えて「さん」を付けていることも考えられますが、実際に被害にあった方にとって理解に苦しむでしょう。
もしご自身が会話の中で無意識に「さん付け」をされているなら、できればご一考いただけるとありがたいです。
(悪人のことを積極的に会話に出すことはないでしょうが)
悪い奴らの特徴を5つ紹介する
では前置きが長くなりましたが、悪事を働く悪い奴らの特徴を5つご紹介します。
もちろんこれ以外にももっと特徴があるとは思いますが、僕自身が体験したものをベースにしていますので今回は5つにまとめました。
また気がついたことや新しい情報があれば追記していきます。
よろしくお願いします。
1 詐欺師は口が巧い
まずは何と言っても口の巧さです。
「上手い」じゃなくて「巧い」です。
奴らのスキルの大半はこの部分だと言っても過言ではありません。
僕の場合は「夢」についてよく話をされました。
「僕自身の夢を叶える応援をする」というものと、「自分も大きな夢を持っている」というもの。
これらは互いにリンクしていて、「僕の夢を叶えることが自分の夢を叶えることに通じる」というような内容で語りかけてきます。
そして「あなたを応援する」「自分ならその夢を叶える手助けができる」「一緒に夢を叶えよう」というような内容のセリフを頻発してきます。
自分が最初からある程度信用している相手なら、早い段階ですぐその気になってきます。
営業職の人ならわかると思うのですが、相手と共感する部分を引き合いに出せば、話がスムーズにいくことが多くないですか?
同じスポーツをやっているとか、同じ地域の出身だとか、そういう感じです。
こうして共感する部分を見出せたら、その後のやり取りはスムーズにいきますからね。
しかし初対面の相手だったり、相手の持つ情報がほとんど無い場合はそんなこと言われても信用できませんよね?
「夢を叶えるって、その手段も持ってないのにどうやって?」みたいな感じです。
ここで登場するのが次の項目です。
2 詐欺師はたくさんのツールを持っている
奴らは本当に色々なツール(道具)を持っています。
そのための準備はとても周到です。
だってそれが奴らの「仕事」だから。
あなたもご自分の「仕事」を行う際、入念に準備しますよね?
それと同じです。
僕の場合、取引先の会社の名刺やその会社の詳しい内部情報、今後行うプロジェクトの内容、自分の持っている会社や取り扱っている製品やサービスなどの情報、見せ金などがありましたね。
特に自分の会社の事業内容(取り扱っている製品やサービス)と、取引先の会社の事業内容をリンクさせて話をしますから、話の中に信憑性が出てきます。
また、取引先の会社の担当者などの名刺を「たくさん」持っています。
このことは以前相談した弁護士が言っていたのですが、最初からそのようにたくさんの名刺を出してくるのは大抵が「嘘」であるとのこと。
これが見たことも聞いたこともないような会社の名刺だったらまだ信ぴょう性も薄かったのでしょうが、そのとき見せられた名刺は
- 大手航空会社AとJの複数の部署の複数の人物
- 大手印刷会社TとDの複数の部署の複数の人物
- その他複数の中小企業
でした。
もちろんそのあたりも計算のうちなんでしょうね。
その中でも「大手航空会社Aと今取引していて、そこで自社の製品が使われることになっている。」という話でした。
その航空会社Aの今後行うプロジェクトを実際のA社のホームページ上で案内され、「このプロジェクトにうちも参加するんだ。まだ非公式だから載ってないけどね。」というように説明され、だんだん信用してきてしまいました。
A社の名刺の部署や人物について、それぞれ「これはこういう部門で今はこういった感じの内容の話を進めてる」「こっちは〇〇の件でお世話になってる」「この人物はこういう人で・・・」など、一つずつにエピソードを盛り込んできます。

とにかくたくさんの名刺などを持っています。
過去に実績があることも
また、過去の実績を持っていると話はさらにややこしいです。
実際に奴らが持っていたり開発していたり、使っていたツールや方法があれば、それ自体を元にして話を展開されます。
今回の僕のケースはまさにそれで、奴が持っていたものや行なっていた行動は、今までの話の信用の裏付けになるものでした。
(と、少なくともこの時点では思ってました。今思うと何てしょうもないツールなんだと思いますが。)
また通常の神経では考えられないと思いますが、奴はFacebookを利用しているんですよね。
その過去の履歴を見る限りでは、実際に一度は成功していたであろうことが見て取れます。
少しの期間だけを作ったページだったら作り物だと考えますが、過去数年に渡って遡ってみてもほとんど毎日のようにページが更新され、
中には写真や動画も添付されていて、家族や有名人やその他の人と写っているものもたくさんあります。
(後述しますが、これらのうちいくつかは保存しています。)
もちろんコメントもしっかり付いていて、それにだって逐一返信しています。
(この辺りにも口のうまさは出ているのかもしれないけど。)
これは推測ですが、調子に乗っていたら破綻してしまって、「どうにかあの頃の栄光を取り戻したい」と考えるようになったんでしょうね。
その手っ取り早い方法が人を騙して大金をせしめることだと考えたんだと思います。
まあクズの考え方ですけどね。
ちなみに、最近に近づくにつれて何の更新もされなくなっています。
逆に匿名だからか、Twitterは割と最近まで更新されていますね。
3 悪い奴は法律や金融関係に詳しい
これもある意味「仕事」というふうに考えたらわかるのですが、法律のことや金融システムのことについてとても詳しいです。
法務関係の仕事をしている人やファイナンシャルプランナーのような仕事をしている人でなければ、一般の人はこの2つのジャンルってそこまで詳しくない人が多いですよね。
こういった部分を徹底的に詳しく、細かく、専門用語を交えて話すことによって、だんだんと相手を思考停止に追い込んできます。
人は自分のキャパを超えるような話をされると「早くこの場を終わらせたい。」と思うようになるそうですよ。
実際僕も相手からの長電話、延々と続くメールのやり取りで毎日うんざりしてました。
こちらの予定など二の次ですからね。
一度電話したら2〜3時間は当たり前のように話していました。
当時は別で派遣社員として働いてもいましたから、そちらの仕事の後にワケのわからない話を3時間もして毎日疲弊しきってましたね。
思考回路が働かなくなった頃に言われること
そして疲れからだんだん思考回路が働かなくなります。
そのあと結局「そんな方法があったんですか!」ということを教えられ、実行するように言われます。
僕が言われたのは資金の調達方法のアドバイス。
(アドバイスというか悪事)
詳しい内容はここでは書けませんが、「騙す相手のことなど本当にどうなっても構わない」という内容を伝え、それを実行するように促してきます。
しかしその時は既に相手のいいなりになっている状態。
その方法に何ら疑いを持たず、「その方法すごいです!知りませんでした!」とばかりに実行してしまうんです。
結果的にはその方法は失敗してうまくいかなかったのですが、もし万が一うまくいっていたら悪事を助長することになっていたでしょうし、自分自身も犯罪者になるところでした。
4 詐欺師の真髄は人の心理を知っているところ
やり取りをしていると、いずれは自分の貯蓄の中からやカードキャッシングなどをして相手にお金を貸してしまいます。
そのお金には返済のルールを設けていて、例えば「この100万円は、毎月25日に10万円ずつ返済する」などの取り決めを行います。
ひとまず約束は取り付けたから少しは安心ですか?
しかし大金であるこのお金が、本当に取り決め通りに返済されるのかとても不安ですよね。
その不安を払拭させるため、最初、もしくは2〜3回目まではきっちり返済されます。
奴らはこちらの不安な状態を見抜いており、その不安を拭うことで安心感を与えてきます。
しかしよく考えてみると返済できるのは当たり前ですね。
最初に貸した100万円のうちの20〜30万円を別にして置いておけばいいだけのことですから。
残り70万円はいわば「利益」ですよね。
返済された幾らかのお金は、もともとは自分のお金なんですよ。
100万円を一括で返すとは決して言いません。
(一括だったら相手にとっては利益がないですからね。)
こうして最初の数回をきちんと返済して「約束を守る」ことによって相手に安心感を与え、その後の取引をしやすくしてきます。
「約束は守ってくれる人だ!」と思ってしまったら最後。
追加でお金を貸すようなことをしてしまいます・・・。
返済日から数日空けて、
「申し訳ないけどもう少しお金が必要になった。以前決めたルール通りに返済するので、追加で出資してもらえないか?」
ということを伝えられます。
通常だったら「何言ってんだ」となるところですが、しっかり返済してくれる安心感から、追加の出資をしてしまうんです。
安心すると気が緩むという人の心理を巧みに突いてきます。
これも正常な状態の人なら気づくことですが、すでに100万円という大金を出資した後の正常じゃない状態では気づきません。
ちなみに100万円というのは例として出した数字であるだけで、実際に被害にあう人はさらに大金を出資している場合が多いうようです。
逆にもっと少額であっても同じパターンでやられる人だっていますから、「自分はそんな大金を持ってないから関係ない」と思わないようにお気をつけください。

奴らは一番に安心感を与えてきます。
5 悪い奴とは突然連絡が取れなくなる
上記のようなやり取りをしていてある程度搾取し終わったと判断されたら、途端に連絡が取れなくなります。
「怪我をしてしばらく動けなくなった」
「取引先と商談中で少し時間がかかるから、終わったらこちらから連絡する」
「ずっと事務所に缶詰で仕事していて時間が取れなかった」
など、完全にではないのですが、徐々に連絡をする頻度が下がってきます。
そして上記の「返済日」になってもお金が返ってこなくなります。
そのことを問い合わせても、連絡がつかないか、連絡がついたとしても「取引先の都合で入金が遅れているから2日ほど待ってくれ」というようなことを言い出します。
当然、2日後にも入金はありませんけどね。
この部分の特徴は、あくまで「自分は返す意思はある。返さないとは言っていない。」ということ。
これを言い続けることで、責任逃れだったり、万が一逮捕されるようなことになっても罪を軽くできるという意思が働いています。
「返すという意思がある。」という事実を作ろうとしているんですよね。
しかも「返したいのに返せないのは取引先のせい。自分は悪くない。」とも取れる内容です。
クズの考え方ですね。
そうしてズルズルと引き延ばしているうちに、奴らとは連絡を取れなくなるのが一般的なパターンです。
いわゆる雲隠れってやつです。
僕のケースではなぜか連絡が取れる状況が続いていますが・・・
まあしばらく連絡を取っていないので、今はどうだかわかりませんけど。
また進展がありましたら別途記事にして報告させていただきます。
悪い奴らにやられないためにするには
じゃあそんな悪い奴らにやられないようにするために大事なことって何ができるでしょう?
これもいろいろな方法があると思いますけど、ここでは3つことを覚えておいてほしいです。
どれも簡単なことです。
1 やりとりした記録は全て残すこと
相手から受け取ったメールや書類、封筒、音声などは全て保管すること。
それから、教えられた情報でインターネット上にあるものであるなら、可能でしたら全てのページをPDFにして保存しておく方がいいと思います。
(例えば相手の会社のHPなど)
こうしておけば、万が一その情報が消されてしまっても、こちらのパソコンなどに保管できていますから安心です。
ミスったなと思ったのが、当時奴がインタビューされていた記事がネットに掲載されていたのに消えてしまっていたこと。
ドメインの有効期限が切れたからか、奴がネットの情報を削除する会社に依頼して消したからかわかりませんが、とにかくやり取りしていた当時は見れたページが全く関係ないアダルトページになってしまっていました。
そういったことが無いよう、今僕が知っているネット上のページは全てPDFにして保存しています。
もちろん奴から送られてきた伝票や受け取った名刺なども保管しています。
今後警察へ相談する予定ですが、その時に証拠として使える可能性のあるものは全て残している感じですね。

いつか臭い飯を食わせてやるよ。
2 自分はうまい話には乗らないという理念を持つ
これは知っていても忘れがちなことです。
特に最初の方でお話しした通り、「自分の夢と相手の夢がリンクしている」というような部分から共感してしまい、どんどん相手の話に引き込まれてしまうことがあります。
冷静に考えればすぐにわかることでも、共感して自分ごとにして考えてしまうとわからなくなるものです。
大体、「なぜ金もコネも無い自分にそんなうまい話が来るのか」を考えてみればわかりますよね。
宝くじを買ってもいないのに、「宝くじに当選しました!」と言われるわけがないように、その人物の利益になることをしたわけでもないのに見返りがあるわけないですね。
ちなみにここでは実体験をもとにした話をしていますが、ネット上で溢れる「1日10分の作業で毎日1万円ゲット!」みたいな話も同じですよ。
そんなうまい話はありませんので。
てか、そんなうまい話があったら僕だったら独り占めしますね。
独り占めして利益を得まくって、その利益を周りにいる人に還元します。
僕だったらですけどね。
3 一人で考えず必ず誰かに相談する
こういう話があったら必ず誰かに相談するようにしてください。
相談と言っても警察とか弁護士とかじゃなくて、周りにいる身近な誰かです。
家族とか信頼できる友人とか、とにかく複数人に相談する方がいいでしょう。
自分がものすごく頭が良くて多方面のいろんな知識を持っていたとしても、相手はその上をいっています。
そんな奴らに立ち向かうには、周りの協力が不可欠です。
「三人寄れば文殊の知恵」なんて言葉がありますが、あれは本当です。
一人の持っている知識や経験なんて大したことないんです。
他の人たちが持っている知識や経験に助けられることが絶対にあります。
また、自分一人の知識や経験をもとにして考えてしまうと、どうしても相手の言っていることを自分の都合よく解釈してしまいます。
「恋は盲目」、みたいな感じです。
(恋愛詐欺・結婚詐欺のケースもありますからね・・・。)
自分一人だけでは決めず、必ず周りの誰かに相談しましょう。
そんなの面倒だから大丈夫という人へ
「そんな相談とか面倒だし、大丈夫大丈夫」という人もきっといると思います。
そんな人は、どんな被害にあってもいいようなお金(金額)だったらそれでもいいでしょう。
万が一、それで被害にあって立ち直れないようなダメージを負うような内容だった場合はいけません。
上記の例にした「100万円」が、あなたの全財産の「数億円のうちの100万円」だったらまだ大丈夫かもしれませんが、
全財産が「100万円のうちの100万円」だったらダメだということです。
自分で責任を取れないようなものはダメだってことですね。
それで待っているのは「自己破産」という悲惨な結果だけですから・・・。
自分だけが良ければいいというやつらがいることを知っておく
今回は実体験をもとに、
「詐欺を働く人間、人を騙す意図をもって近づいてくる人間がどういう方法をとり、去っていくのか」についてまとめてみました。
もう一度おさらいしますと、
- 口がうまい
- いろいろなツールを持っている
- 法律・金融に詳しい
- 心理を突いてくる
- やがて連絡が取れなくなる
というものです。
これらについて対策できることは、
- 記録は全て残すこと
- うまい話には乗らないという理念を持つこと
- 誰かに相談すること
です。
被害にあっても自分で責任が取れる範囲のものならいいんです。
それができないと、結果は悲惨なものです。
奴らにとって、相手がどうなろうと関係ないんです。
「責任とってくださいよ!」と情に訴えても無駄ですよ。
例えそれが
若年だろうが年配だろうが、
どんなに有能な男性でも超美人の女性でも、
小さな子供のいる家庭であっても生活に困窮している家庭であっても、
それは全く関係ないんですよ。
自分が良ければいいんです。
どうやって相手からお金や大事なものを奪い取れるかを目指す、ただのゲームみたいなものですからね。
今はインターネットが発達し、SNSやマッチングアプリなどでも簡単に人と繋がれる世の中です。
個人的にはSNSは今後も利用しますし、自分が好きな作家さんと直接やり取りできたりするので重宝していますが、簡単がゆえに悪事も働きやすくなってしまっています。
また、奴らは本当に身近なところにいますから、気をつけろと言っても難しいでしょう。
なので「人に気をつける」のはもちろんですが、「自分自身の行動指針や戒め」を持って生きるのが、
奴らにやられにくくする方法なんじゃないかなーって思います。
今まで気づいてきた色々なものを、そんな悪い奴らに簡単に壊されないように、「自分」というものを強く持って生きるようにしましょうね。
・・・あ、悪人に「さん付け」することについてはぜひご一考くださいませ。
長文になりましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました!
この記事の内容によって、あなたが詐欺師の仕事に引っかからなくなることを願います。
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